Top Page IC-7600 のトランスバータ端子を使う
自作工程のメモとして
14.Oct.2017

ドライバー基板を再度作り直し最終のまとめを掲載しました。(2018/01/15)



 IC-7610が発売され、さらにはVHF・UHFのIC-9700も発表された現在に、今更という感はぬぐえませんが、IC-7600(今度のIC-7610も同様に)はトランスバータ端子が後ろに出ており、以前から現用のIC-7600Mを親機とした144MHzのトランスバータに取り組んでみることにしました。
トランスバータといえば、親機の出力を低減して入力する構成が簡易的で一般的だと思いますが、このトランスバータ端子を使えば、無駄に電力をダミー喰わせることもなく済みますし、次機種のIC-7610にもトランスバータ端子が引き継がれていることが分かりましたので、進めることにしました。

トランスバータ自体の自作は無理なのでWeb上で探していると、eBayでウクライナ製の「144 to 28 MHz TRANSVERTER KIT 2m 144mhz 146mhz VHF UHF Ham Radio DX」キット(以下、TRANSVERTER KIT)が見つかり、取り寄せて実験してみることにしました。
ただし、これも親機の出力を10W以下に低減して使うタイプになります。とりあえずケースまで含めたキットを発注して、IC-7600のトランスバータ端子に接続するように取り掛かります。

PCBと抵抗セット頒布終了しました。(2019/11/30)

採用したトランスバータキット(9/25発注===>10/09到着)


調整中の「144MHz(IF=28MHz)トランスバータ」


IC-7600(M)トランスバータ接続時の画面


Edit by bluegriffon2.3.1


アイコム IC-7600 トランスバーター端子
1.IC-7600のトランスバータ端子とACC2ケーブル の作成

 当初からIC-7600のトランスバータ(以下、TRV)端子は、-20dBmに低減された出力だけが出る端子と思っていましたが、IC-7610の取説を見るとTRVモード中は受信信号もその端子を使うように図解がしてあり、もしかしてIC-7600もそうなのかと英文のサービスマニュアルを見てみると、同様の動作をするように見えました。
そこで、最初にIC-7600をTRVモードに切換えるACC2ケーブルを作製し実験してみると、上記受信信号の動作を確認することができました。


■ IC-7600接続イメージ





■ ACC2ケーブル作成


先ずは、手元に有ったDIN7ピンのプラグを使って、両端をDIN7ピンにしたACC2ケーブルを作りました。
しかし、「TRANSVERTER KIT」が届いてみるとTRVにDIN7のジャックを付けるより、3.5Φのオーディオジャックを付けた方が簡単なので、市販のオーディオケーブルの片側を加工し作り直しました。


2.IC-7600のTRV端子の出力確認

 色々接続する前に、TRV端子の出力を確認しておくことにしました。
出力のスペクトラムを測定できるような測定器は有りませんが、RTL-SDRが手元に有りましたので、Web上のソフトをダウンロードして簡易的な記録を取っておきます。

■ IC-7600のTRV端子の出力(1)
「X-VERTERのCW出力を30dBのアッテネータ(以下、ATTと略す)を入れてRTL-SDRに入力」


元々簡易型のためダイナミックレンジは取れていません。(無信号時でもフロアーレベルは-50dB前後)
また、SDRの内部クロックのスペクトラムが出ています。
IC-7600のTRV端子出力は、-20dBmとのことですが、このソフトではdB/Hzで表されるため、実際の送信出力(dBm)はこの時点ではわかりません。
試しに、ATTを外してFCZのQRPパワーメータを繋いでみると、1mW(0dBm)の最小目盛りも動きませんので、それより小さい値(-20dBm程度)の出力が出ているだろうと想像しています。


■ IC-7600のTRV端子の出力(2)
「X-VERTERのCW出力をRTL-SDRに入力。RTL-SDR側は100MHzアップコンバータ」


こちらは、アップコンバータを入れており、SDRの内部クロックの影響は少ないですが、本信号の上側約250KHzの辺りに上記(1)と同じように、本信号比-40dBほどのスペクトラム(*点)が出ています。RTL-SDRの特性なのか、IC-7600側からの信号なのかは、現時点では分かりません。


■ FT-817nd(Low Power)ダミー出力


手元のFT-817nd(新スプリアス規格)を同様に測ってみても、約250KHz上の辺りにスペクトラム(*点) が現れますので、RTL-SDRの特性と思われます。

3.TRV ドライバーの回路作成と製作

 採用の「TRANSVERTER KIT」は、入力が1〜50mW(0〜17dBm)となっているため、TRV端子の出力(-20dB以上)から、約30dB程度増幅してやる必要が有ります。
そこでエレクラフトのトランスバータ(XV144)の回路を参考に、トランジスタ(PN2222)と、モノリシック・アンプ(MAR-3)の2段増幅を試しましたが、1段増幅で十分ということが分かりトランジスタ(PN2222)のみとしました。
また、「TRANSVERTER KIT」のアッテネータボードを使用しないため、送受の切換回路も必要になってきます。そこで、「TRANSVERTER KIT」が届くまでの間に汎用のドライバを製作することにしました。
 上記の構成で、何dBの増幅が可能かはわかりませんが、Web上のツールを使って回路を起こして、XV144には無かったローパスフィルタも組み込むようにしました。

参考URL(感謝):changpuak.ch :  http://www.changpuak.ch/   、  ざわざわウエアズ :  http://zawa2.com/



■ Web上のツール(1) MAR-3の定数を求めます。


使用しないため、画像をグレイスケールにしました。(2018/01/15)
Lは、省略しました。Vdd8V時のRの値を求めます。


■ Web上のツール(2) PN2222のR1・R2の定数を求めます。

図1

Vcc8V時のR1・R2値を求めます。
図2 (XV144の推測)

XV144の数値を改めて当てはめるとhFE200で使っていたと想定(修正:以前はhFE90で試算)される。
図3(Vcc13V時の定数)

再度定数を見直し、電圧を13Vにし、Vceを5V付近に調整しました。
(2017/12/21)
図4(Vcc8V時の定数)

再度の見直し後、8Vが必要になりドライブ能力も過剰気味なので、当初のとおり電圧を8Vにし、Vceを3V付近に調整しました。
(2017/11/15)
(修正:2017/12/21)


■ Web上のツール(3) ローパスフィルタの定数を求めます。



■ TRVドライバの回路

回路を入れ替えました。(2018/01/15) クリックでpdfファイルが開きます。(A4 Size)
初版の回路を見直し、「もしかして必要になるかも?」と思えるパターンも入れています。
PN2222の後段にあるLPFは、上記ツール(3)の定数で低域を落としたBPF気味の特性を狙いました。
TRANSVERTER KIT」のIF(28MHz)入力にもLPFが入っていますが、LCの定数をツール(3)に当てはめてみると、同様に低域を減衰させた特性になってるようです。


■ 回路のパターンイメージ

画像を入れ替えました。(2018/01/15)
この基板で、初版から数えて3枚目になります。
1.基板の大きさは、「TRANSVERTER KIT」のトランスバータ基板と同じサイズ(80x45mm)にしてあります。
2.LEDの接続は、ピンヘッダ・ピンソケット(2.54mm)だけを使用しましたが、その他はハンダ付用のランドも用意しました。
3.ピンソケットの電源ラインは、この基板を通してトランスバータ基板に出力するため2ピンを使っています。
4.TRV基板と直接接続できるよう基板上にL型ピンヘッダを取付けられるようパターンを追加し、配線が少なくなるように変更しています。
5.取付穴は楕円形にし、若干の調整ができるようにしました。OSCの右上にある穴は使わず下側2箇所のみを使います。
6.使用していないパターンは、回路図でunusedと表記しています。


■ 仕上がりのDRIVE基板(表裏)


画像を入れ替えました。(2018/01/15)

表面が狭くなったので、裏面へ基板名を入れています。(V2.1)

■ BOM(部品表)

Reference Value 手配先 手配番号 発注単位
C1,C3,C5,C8,C15,C16 0.1u 6 Mouser 581-08055C104K 100
C6,C14 0.01u 2 Mouser 81-GRM40X103K50D 100
C10,C13 100p 2 Mouser 80-C0805C101J5G 10
C9,C11,C12 150p 3 Mouser 80-C0805C151J5GAC 10
C17,C18 220p 2 千石 GRM2162C1H221JZ01D 10
C2,C4,C7 1u 3 Mouser 581-08053C105KAT4A 10
D1,D2,D3,D4 D 4 秋月 I-06190 20
F1 Polyfuse 1 Mouser 530-0ZCG0150BF2C 10
K1,K2 RL_秋月.Y14H 2 秋月 P-01345 1
L1,L2 0.30uH 2 Mouser 279-36502AR30JTDG 1
Q2 2SA1313_PNP_BEC 1 秋月 I-05554 20
Q3 2SC3325_NPN_BEC 1 秋月 I-00628 20
Q1 PN2222A 1 秋月 I-09406 20
R5 680ohm 1 千石 ERJ6GEYJ681V 2012 50
R4,R7,R9 10k 3 Mouser 603-RC0805JR-0710KL 10
R1,R2,R6 1k 3 Mouser 603-RC0805JR-071KL 10
R8 27k 1 Mouser 603-RC0805JR-0727KL 10
R3 82k 1 千石 ERJ6GEYJ823V 2012 50
U1 LP2950-3.3_TO92 1 秋月 I-08749 1
VR1,VR2 RV100 2 秋月 P-03267 1
P1,P8,P15 CONN_2 3 秋月 C-10097 1
P3 CONN_4 1 秋月 C-10099 1
P10,P14 CONN_4-L 2 秋月 C-05336(4ピンにカット)
1
P2 CONN_6 1 秋月 C-03784 1
U2 OSC 1 AliExp.
1
手配先は一例で、C・R類はSMD2012サイズの部品を想定しています。(一部は手持ち品で対応したものもあります)
L1・L2はSMD3216のフットプリントを使いましたが、入手性の関係で少し小ぶりな部品を手配しました。


発注品の納期関係メモ
基板(Fusion)はいつもと同じぐらいの納期で7日間、ほかにeBayで注文した「MAR-3」は17日間、同じくeBayの「TRANSVERTER KIT」は14日間で到着しています。
12月に入ってからの納期は、TRV基板が25日かかっています。


4.TRANSVERTER KIT」の組立

 海外へ発注した品の中では一番早く到着した「TRANSVERTER KIT」の、ケースの調整を先に実施しました。
このトランスバータは、PCB単体やアッテネータ基板とのセットなど、色々な組み合わせで販売されていますが、ケース等の準備が簡単になるため、私はケースを含めた組立キットを発注しました。
なお、キットの中ではアッテネータ基板が余りますが、別途有効活用する予定にしています。
到着したキットには、次の追加工や変更をしています。

1.ケース止めネジのM3タップ切り
最初にタッピングビスが付いてきますがねじ切ってなく固い状態でした。今後、何度も開け閉めする予定のため、M3のタップを切りました。

2.前後面パネルの穴あけ部のやすり掛け
パネルは穴あけ済みで安心ですが、その穴は少しの加工を必要とします。やすりとリーマーを使い穴を調整しました。

3.PTTコネクタ交換
PTTはRCAコネクタで接続する形式でしたが、TRVがONした信号を送るため3.5Φのオーディオジャックを取付けています。

4.ケースの壁付け穴あけ
本来は机等の上に置くイメージと思いますが、私はラックの横に取り付けられるよう、四隅に取付穴を開けています。

5.ネジサイズの変更
基板取付用ならびに終段の放熱用取付ネジはすべて2.6mmサイズの皿ネジでした。私は、放熱用取付ネジを3mmに変更しています。
M4のプラナットがKITに4個付いてきますが、基板を浮かせるスペーサーとして使います。(厚さ3.15mmで、3mmのスペーサーで代用できそうです)



■ 組立後、斜め後ろから


画像を入れ替えました。(2018/01/15)
IC-7600のTRV端子を使う関係で、「HF ANT」コネクタは付けていません。


■ 組立後、横上面から


画像を入れ替えました。(2018/01/15)
配線にピンソケットを使用していますが、線の太さ(硬さ)等もあり這いまわしにてこずりました。




5.TRV ドライバー並びにTRV本基板の出力調整(全面修正)

 IC-7600のTRV端子からは、-20dBm以上の信号が出されているとのことで、当初は2段増幅を考えましたが、実験の結果PN2222の1段増幅で十分ということが分かり、その後にLPFを入れてTRV基板へ出力しています。また、送信時にしか動作しない回路のため、出力レベルの測定も安定して測れるように見直しました。


■ ドライバ回路(修正後)




■ ドライバ出力の測定位置


TRV基板と接続しない状態(ビニール袋で絶縁)で、IFsig部(赤丸)に50オームの抵抗付きピンソケットを挿入し、オシロスコープ(以下、DSO)で確認しました。

■ ドライバ出力の波形


親機のモードはCWで、C14の出力側で1.5Vppに調整しました。(約7.5dBm)
ドライバ基板の入力調整用ボリューム(VR1)の位置は3枚確認しましたが、どれも時計13時あたりの位置になります。
左下の電圧単位部の記号「〜」は、AC入力モードを示します。


■ TRV本基板の出力

TRV基板のRV1で最終的な出力調整になりますが、クラニシRW-315Aにダミーロードを付けて測定してみました。約9W(メーター目盛)は出ているようです。
これ以上は、飽和状態になり出力が上がりにくいようです。
また、本基板の出力調整用のボリュームが小さすぎて調整しずらいのでこのぐらにしておきます。
ただし、新基板(緑色)は、回しやすい半固定VRに変更になったようです。


■ TCXOの出力測定位置

TCXOの出力を調整するため、追加で用意したTRV基板の出力を測っておきます。(基準の確認)
場所は、C8(前基板ではC10)の右側(赤丸)の位置にDSOのプローブを当てて測定することにしました。

■ TRV基板のクリスタル出力波形


約1.5Vppの出力が確認できましたので、これを基準とすることにしました。(受信状態)


■ TCXOの出力調整後の波形


ドライバ基板のVR2で調整しますが、時計で14時から15時あたりの位置になります。


■ TCXOを使用する場合のTRV基板の変更箇所

クリスタルとC2を外し、発振回路から増幅回路に変更します。


■ TCXO信号のTRV基板への接続


外したクリスタルのHot側に0.01uFのチップコンデンサを付けて、Driver基板からのTCXO信号を入れています。


■ TCXOの手配方法


TCXOは、YahooやGoogleを使って「AliExpress  116MHz TCXO」で検索すると、検索結果上位に出現する「Shenzhen More-Suns Electronics Co.,Ltd」社の物が該当します。
注文される方は、オーダーフォームの途中でメッセージを送れる欄が出てきますので、「Specify the frequency at 116.000 MHz, please.」等のコメントで、希望する周波数を指定して注文してください。(2018/01/17)
一般的にVcont/NC端子に相当する1ピンに電圧をかけてみましたが、周波数は変化せず、NC端子のようです。(2018/01/20)


6.局発周波数(116.000000MHz)のクリスタル交換と温度補償(参考情報)

 TRV本基板は調整済みということで、組立後にすぐに受信することができますが、夜のSSBでの交信を聞いていると私のリグの周波数表示と”少しズレている”ように感じました。そこで、FT-817nd(TCXO取付済み)にダミーをつけ144.010MHzのCW信号を送り込みますと、局発周波数が約170Hzほど高い発振をしているようです。
元から付いている局部発振周波数の安定性は公称値 +/- 3ppm ですので、116MHzでは最大300Hz以上の誤差となり、そのままでも近似値に収まっていると思えますが、さらに追い込んでみました。
Web上で検索すると、クリスタルの周波数を下げるにはインダクタ(L)を入れるとのことのでしたので、直列にL分を入れて周波数を調整することにしました。
しかし、目的周波数に対して実発振周波数が近すぎて、L成分だけでは調整しきれずC成分も加えて色々やっているうちに、どうもクリスタルを壊してしまったようで、クリスタル単体に戻しても20KHzも違ってきました・・・・・・・・という経緯から


追加注文のTRV基板を使い自作OCXOの実験




追加手配したTRV基板の周波数調整用コイル




外付け発振回路とポジスタによるOCXO実験




上記のように少しの周波数誤差が気になり、次々とクリスタルの交換等を実施してきましたが、その途中で周波数変動の基準に使った信号が、自家内の他の機器から出る信号と分かりました。
そのため、以前の周波数変動に関する測定結果は間違いでした。(2017/12/04)

6−改訂.局発周波数(116.000000MHz)の調整 (2017/12/07)

 上記の基準信号の勘違い・間違いから迷走しましたので、しっかりした基準の周波数を作ることにしました。
そこで、上記調整中に手配しておいた10MHzのOCXOと、ADF4001によるPLL基板を使って144.050MHzを発振させ、今後の基準にしました。(別テーマで掲載)
改めて周波数変動を測ってみると、各クリスタルの温度変化による変動が大きなものでなく、そのままでも使えることが分かりました。
壊した元クリスタルの特性は取れませんが、とりあえず手持ちのクリスタルの特性を掲載します。

■ 測定方法(MMVARIによるキャリヤー周波数記録:AFCオン)


TRVだけでなく親機の安定度も影響してきますが、1Hzまで測定できるため重宝しています。
なお、親機(IC-7600M)は、10MHzの標準電波で1Hz以内の誤差を確認しています。


■ サトー電気のクリスタル(別基板2SC460)



周波数変動

15分経過後からは、電気ひざ掛けで温度計とTRV装置を軽く覆い、温度上昇を加速しています。
1分後から120分までの「冉/t」は、0.086ppm/℃と十分な安定度だと思います。


■ TCXO(Aliexpress.com手配)



周波数変動

15分経過後からは、電気ひざ掛けで温度計とTRV装置を軽く覆い、温度上昇を加速しています。
Aliexpress.comで直接116MHzを発振させているTCXOが有り、正弦波出力かどうか不安が有りましたが、注文してみました。
届いてみると正弦波を出力しており、1分後から120分までの「冉/t」は、-0.005ppm/℃と十分な安定度で、5分後からは2Hzぐらいの変動に収まっています。
ただし3.3V動作のため、三端子レギュレータを8Vから3.3Vに載せ替える必要が有ります。


■ 元基板のクリスタル(3枚目のTRV基板:2018/01/02)


以前のロットでは、クリスタルは38.666MHzでしたが、58.000MHzを2逓倍するように変わったようです。


周波数変動

こちらも15分経過後からは、電気ひざ掛けで温度計とTRV装置を軽く覆い、温度上昇を加速しています。
少し変動が大きいと思いますが、常温付近ではそれほどでもないかも知れません。
このTRV基板(3枚目)が届いた日に、追加注文したTCXO2個が届き、いずれにしても私はTCXOを前提に最終調整をする予定にしています。



7.144MHz 帯のスペクトラムを簡易測定(見直し前後比較)

 10Wに増力したスペクトラムを直接測る測定器が無いので、TRVにダミーをつなげて送信状態にしました。
受信は2項で出てきたSDRのANT端子にリード線を付けて1m以内の距離に垂らしています。

以前にドライバ出力が過多のためこの確認で信号が歪んで見え、ダミー出力をFT-817ndで聞いても濁ったように聞こえたため、急遽本ホームページの更新を中止しますと掲示しましたが、ドライバ1段で調整した後は濁りも無くキレイなスペクトラムを確認することができました。(2017/10/31:修正)

■ ドライバ(1段増幅)時のTRV出力波形(144.010MHz CW)



2項の「FT-817nd(Low Power)ダミー出力」画像と重ね合わせてみました。

目立つスペクトラムは全て同じ位置に出現している(RTL-SDRの特性?)ことと、アッテネータを減少させて測定すると見かけ上のダイナミックレンジが上がり、主信号に対してほぼ-60dB以下の不要輻射成分しかないことが確認できました。(目安でしか有りませんが)



8.付加装置(トランスバータ)の申請

 申請はTSS等の説明を見ると、既に許可されている機器に付加装置としてトランスバータを付ける場合で、且つ20W以下の場合は直接総合通信局に申請となっているようで、とりあえず早め(11月5日)に電子申請をしました。
その後、審査が進んでいるようでもなく旧スプリアス機器の「スプリアス確認保証」の処理で忙しいのかなと考えながら、6項のQRH対策を実施していました。
そして、電子申請のページで進捗の照会をしなくなったころに、メールで通知書の案内が届き(11月21日)、審査が完了したことが分かりました。
免許内容に変更が無い場合でも免許証が発行されるので、さっそく返信用封筒を送りました。

■ 送信機系統図(参考)



本系統図は参考であって、審査の適合性を保証するものでは有りません。
(2018/05/29:系統図差換え 116MHz局発回路の水晶を3種類に変更)


99.その他気づいたこと

(1)都度、追記します。




99.追記用(予備)

 



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