103_コモンモードフィルターを作ってみる
自作・実験工程のメモとして
Jan.2026
最終更新日:2026/01/20 同軸の巻き方を修正しました。
ひとつ前のテーマ「102_フィルターをNanoVNAで測ってみる」でローパスフィルターやコモンモードフィルター(以下、CMF)の特性を測定してみましたが、期待値に近い特性を示すものも有れば期待値に届かない品も有りました。
そこで、16年ぶりになりますが比較的作りやすいCMFを作ってみることにしました。
製作に当たっては以前同様に大進無線さんや、Net上の情報を参考にしました。
また、以前は手元にあった大きなコアを使用しましたが、今回は大進無線でも多用されているコンパクトな「フェライトコア E04RJ402715」とRG316同軸を使用しました。
今回も前テーマと同様にどのような性能のフィルターだったのかを、手持ちの NanoVNA-H4(以下、NanoVNA)とパソコン(以下、PC)を使って測定してみました。
ここでの掲載はNet上の情報を頼りに測定をしましたが、間違った解釈や必要な条件を満たしていない場合が有ります。
誤差や間違いが有るという事を前提にご覧いただければ幸いです。
・左は古いCMFのM型コネクターを再利用した1号機、右は圧着手タイプのUHFコネクターを使用した2号機になります。
Edit by bluegriffon 3.1
以前から同軸切換え器やフィルター等は木板にねじ止めして使用していたことから、フランジ付きのプラケースを用意しました。
更に前テーマで廃棄したCMFのM型コネクターはそのまま再利用することにしました。
苦労したのはコアを固定する方法や同軸の接続処理で、もっと良い方法が有るのではと思いながら進めました。
■コアの巻き数について:
コアの中を通過する数を数えると有りましたので、W1JR巻の数え方も 最初の回数(10)+反転の1回+最後の回数(最初と同数の10) = 計21回 としています。
■.1号機としてまとめたCMF(上面より)

・コアの固定と同軸のはんだ付け処理の最終形としました。
■.最初に試したコアの固定方法

1.採用したケースには6か所の盛り上がった台形の突起穴が有り、その穴をドリルで貫通させM2.6のタップを立てて大きめの結束バンドで固定しました。
2.この方法は結束バンドに穴を空ける手間や、安定感に欠けることから中止しました。
3.固定穴はM3タップに変更しました。
■.用意したコアガイド板

1.コアを一番下まで沈めて固定するため真ん中に穴を開け、4か所の固定穴と結束バンド用を用意しました。
2.最初はホームセンターで普通の塩ビ板(1mm厚)を購入しましたが、これが硬くて丸い穴がなかなか開かず割れてしまいました。
3.次に手元にあった「低発泡塩ビ板(1mm厚)」を使い、ダイソーの「コンパスカッター」を使い中央に穴を開けています。
4.中央の穴は、最初の1号機は50Φで作りましたが、以後は48Φにしています。
■.同軸のはんだ付け処理

1.使用した同軸(RG316)の芯線はそのままはんだ付けすると、何度も力がかかると断線してしまいます。
2.そこで外被をほどいた付近で切断し、やわらかめの導線(赤)に繋ぎ変えています。
■.1MHz〜101MHzの Log Mag S21特性(1号機)

1.HF帯は-30dB以上の減衰量を示しているようで一応の特性を得ることができました。
2.50MHz帯も阻止効果は有りそうです。
前1項で1号機を作りましたが、同軸のはんだ付けが煩わしく簡単に接続できる圧着式のコネクターを使用してみることにしました。
巻き数については、前と同様に21回にするつもりでしたが、数え間違いをして19回で作ってしまいました。

・コアの外周を結束バンドで固定していますが、これはあまり意味がないようですのでその後に外しています。

・RG316同軸が硬いためループしてコネクターに接続しています。
■.圧着に使ったペンチ
1.AliExpressで同軸RG316対応となっていたので、 .128 という位置で締め付けました。
2. .128インチ = 3.25mm で、トーコネさんのRG316対応の圧着工具(TA-16)のダイスサイズも3.25と有り、合っていそうです。
2.力いっぱい締め付けましたが筒状の部品(以降はフェルール)が大きく変形するようでもなく、初めての体験で少し心配になりました。
■.1MHz〜101MHzの Log Mag S21特性(2号機)

1.巻き数を間違えて1号機より2回少ないため、30MHzにて2.5dBほど減衰量が少ない値を示しています。
2.このことから、回数を増やせば逆に減衰量を稼げるわけで23回を試しても良いかなと考えています。
19回巻ではあまり良い特性が出なかったので、この状態のまま同軸を活かした改善策を実施してみることにしました。
(2026/01/20:追記)

1.一度コネクター部を切断してその後新たにコネクターを接続したため、同軸に余裕を持たせるためのループが殆ど無くなりました。
2.そのため、フェルールにかぶせるエンパイヤチューブは省略しました。
■.巻き直し部の拡大と使用した接着剤
1.同軸を硬く巻き直した後、ゆるみ止めのためアロンアルフア光で隣り合う同軸を接着しています。
2.光を当てるとすぐに硬化するため作業が進めやすくなり、接着部や周りの白化もほとんど発生しませんでした。
■.1MHz〜101MHzの Log Mag S21特性(2A号機)

1.30MHzの辺りで約3dBほど減衰量が増したようになりました。
2.ただし、10MHzより下の周波数では大きな変化は無いようでした。
前項(2)で巻き数を間違えてしまった関係で、23回を試してみることにしました。
また、圧着工具の件での心配も有り、その是正ができるかを試してみました。

・3回目ともなれば慣れてくるもので、巻き数だけ間違えないようにすれば良いのですが、硬いRG316を巻くのは力が要ります。
1.2項での心配のとおり、今回も圧着後にフェルールを引き抜こうと強く力を入れると抜けてきます。
2.そこで、仕事で圧着処理をしている人から見れば邪道の極かも知れませんが、外被部分に低温ハンダを染み込ませながらフェルールを被せました。
3.このことで強い力をかけてもフェルールが抜けることは無くなりましたが、プロの目から見れば「やっては成らないこと」かもしれません。
■.1MHz〜101MHzの Log Mag S21特性(3号機)
1.21回を超える減衰量を期待しましたが、30MHz辺りでは21回巻より悪くなった気がします。
2.各巻き数を1機しか作っていないので何とも言えませんが、できれば21回でもう一度チャレンジしてみたいと思います。
という事で本機は没とし、巻き数を2回減した4号機として作り直してみることにしました。
前2号機・3号機でしっくりしない状況だったので、3号機の巻き数を2回減らした4号機を作ってみることにしました。
手元のコネクターを切らしていたので、2号機から取り外して、3号機に取り付ける形で作ってみました。(2号機は後に復活)
このことで、3号機は消滅扱いとします。

・コアガイド版を使ったことで、作り直しが簡単にできるようになっていると思います。
■.1MHz〜101MHzの Log Mag S21特性(4号機)

1.HF帯は-30dB以上の減衰量を期待できそうですが、50MHz帯は-25dBには届きませんでした。
2.巻き方が悪いかも知れませんが、素人作業の限界というところでこの辺りで妥協したいと思います。
■.同軸を硬く巻き直した4号機(4A号機)の 1MHz〜101MHzの Log Mag S21特性 (2016/01/20)

1.2項と同じように同軸を硬く巻き直し、ゆるみ止めの「アロンアルフア光」で固定していますが、2A号機ほどの効果は表れませんでした。
2.高域を良くしようとすると、巻き数を減らす方が良いのかも知れません。
(1)その他
大幅な改定・追記用