Top Page 10MHzバンドパスフィルターを作る
自作・実験工程のメモとして
01.Dec.2019


 以前にOCXOを入手してケースに収める掲載をしましたが、久しぶりに使ってみると5MHz・20MHzに基本波(10MHz)より十分小さいレベルですが高低調波が確認できました。
私は、オーディオの世界で言われる基準クロック精度による音の良し悪しは分かりませんが、純度の高い基準クロックというテーマの一つとして、10MHzのバンドパスフィルター(以下、BPF)に取り組んでみることにしました。

 Net上で「バンドパスフィルター 設計」を検索してみると色々な情報が有り、その中で「 Gereralized LC Filter Design」というエクセルのファイルを公開されているページを見つけ、利用させていただくことにしました。
そこで早速、市販されているLC部品で組合せが出来そうな帯域幅等を選択して作ってみましたが、挿入損失が大きく他の要素が関係しているようで、あきらめかけましたが、インダクタを見直し、ある程度の再現性がある状態にできましたので記録として掲載しておきます。


インダクタを見直した10MHzバンドパスフィルター
 


Edit by bluegriffon3.1


1.BPFの回路

 インダクタ(以下、L)を同じもので構成できる回路として、「容量結合型バンドパスフィルター」を採用しています。


■.10MHzバンドパスフィルターの回路
1.コンデンサ(以下、C)は、合成容量で目的の値に近づけるために、2個使用するようにパターンを起こしています。
2.実際のCは、若干容量が大きめで、2700pFのチップコンデンサを一つひとつ測り、中央のCには2700pFに近い値を接続する。
3.さらに両端のCには、大きめの値の2700pF個体と150pFもしくは100pFで、合わせて2900pF以下になる様にしました。

59 Arduino STM32duino Program sketch SPI 動作確認
Operation check 
2.挿入損失の考察

 最初に使ったLが、 何も考えず「積層チップインダクタ」を採用したため、データシートを後で読むとDC抵抗成分がそれなりに有るようで、それが挿入損失の要因の一つになっているようでした。
そのため最終的には「巻線インダクタ」を採用しています。
使ったのは、「ざわざわウエアズ」というWeb上のツールで、LCに抵抗分を直列に入れています。
等価回路上では抵抗分だけでは無いと思いますが、少し多めの値を入れて試してみました。

この方法は間違っている可能性があります。


■.抵抗分を入れたシミュレーションの回路

すべてのLCに0.1Ωの抵抗を挿入して特性を確認してみました。

■.抵抗分を入れたシミュレーションの特性

上記回路の0.1Ω挿入時の特性で、さらにLの抵抗成分を0.2Ω程度にすると-9dBを示します。


3.BPFの特性測定

 この関係の測定器として自作の「FRAT」というものを使っていましたが、最近「NanoVNA」というのを知り、使ってみました。
900MHzまで測定出来て、約5千円前後で手に入るため、今後はこれを多用することが多くなると思います。

■.測定例(PC側で操作しています)



■.10MHz ±4MHzの特性

1.い線が通過特性になります。
2.系統の線はリターンロス値で、別のグラフに変えると中心付近でSWR 1:1.8 以下なっていました。

■.高域を101MHzまで広げたときの特性

コンデンサ結合の為か分かりませんが、40MHz辺りから減衰特性が悪化しています。
中心となる10MHzから3倍高調波の30MHz辺りにかけての特性としては、良い方かも知れません。



4.その他のBPF特性とOCXOへの挿入の実際

 最初に作った「積層チップインダクタ」を使ったBPFや、販売されているBPFの特性を確認してみました。


■.「積層チップインダクタ」を使ったBPFの特性
±20%程度の許容差が有るチップ(L)の為、中心周波数が下側へずれています。
また、通過特性も-9dB辺りを示しており、これ以上の調整をすることなく没としました。

■.市販品BPF 10MHz (1MHz〜31MHz)の特性
回路方式は、チップ部品の並び方から、LPFとHPFの組合せではないかと思います。
挿入損失は十分少なく、5M・20M・30MHz辺りの減衰特性も用途により問題無ければ十分使えそうです。

■.RSP-SpectrumAnalyserで見たOCXOのスペクトラム(BPF挿入前)

RSP-SpectrumAnalyser(RSP1A)に0dBmを超える信号を入れると飽和するようなので、10dBのアッテネータを入れています。
基本波の他、5MHz・20MHzの2つのスペクトラムが確認できますが、簡易的な測定のため目安として見ています。
なお、OCXOの電源を切ると5・10・20MHzの各スペクトラムが消えるのを確認しています。

■.RSP-SpectrumAnalyserで見たOCXOのスペクトラム(BPF挿入後)の特性

BPF挿入により、基本波のみが画面上で確認できます。
しかし、ノイズフロアーが高いため、低減効果がはっきりしません。

■.RSP-SpectrumAnalyserで見たOCXOのスペクトラム(市販品BPF挿入後)の特性

市販品は、若干5MHz・20MHzに髭が確認できますが、アッテネータを後6dBも増やせば見えなくなるレベルと思います。



9.その他気づいたこと

(1)その他





99.追記用

大幅な改定・追記用