Top Page 104_バンド分割ローパスフィルターを試す
自作・実験工程のメモとして
Mar.2026
最終更新日:2026/03/23


 最近、ローパスフィルターやコモンモードフィルター(以下、CMF)の特性を測定しています。
その関連で、バンド分割のローパスフィルター(以下、LPF)はどのような特性かな?という疑問から試してみることにしました。
そこで、AliExpressでそれらしい中でも安価なものを物色して入手したのが本品になります。
どのような特性なのか試してみる目的で取り組みましたが、事前情報からコンデンサーの値違いやコアの巻き数についての修正が必要と分かっていた品でした。
安易に修正できると考えていましたが、最初から修正が必要な品を扱うにはそれなりの経験や知識が必要であり、私には荷が重すぎたように思います。

今回も前テーマと同様にどのような性能のフィルターだったのかを、手持ちの NanoVNA-H4(以下、NanoVNA)とパソコン(以下、PC)を使って測定してみました。

ここでの掲載はNet上の情報を頼りに測定をしましたが、間違った解釈や必要な条件を満たしていない場合が有ります。
誤差や間違いが有るという事を前提にご覧いただければ幸いです。



入手したLPF (XF-LPF-HF)
1.入出力のコネクターは無いためRG316同軸を約9cmとSMA-Jを取り付け、端子代わりにしています。
2.本写真は最終調整後の状態になります。

Edit by bluegriffon 3.1

1.LPF入手直後の特性

 入手前からレビューにコンデンサーの値違いやコアの巻き数についての修正が有りましたので、覚悟と回路図のNetから入手して事前準備をしていました。
入手した品はレビュー通りの物のようで、レビューに感謝しつつ特性を確認しました。


■.15-10mバンド用LPFの特性

・28MHz帯がギリギリのようで、少しカットオフ周波数が高い方が良いようです。

■.20-17mバンド用LPFの特性

・このバンドはもう少し低い周波数に片寄っても良かったかもしれませんが、おおむね良好のようです。

■.40mバンド用LPFの特性

・Marker3の示すように7MHz帯で-6dB付近の減衰になっており手直しが必要と分かります。

■.80mバンド用LPFの特性

・このバンドはレビューでコンデンサC2が誤実装されているとあるように、フィルターの体を保っていません。



2.各バンド用LPFの修正

 前1項で28MHz帯の特性がギリギリの状態でしたので、Net上でXF-LPF-HFの取説のようなものをダウンロードして準備して進めます。
(取説のような物:「XF-LPF-HF filter kit.pdf」で検索するとそれらしいものが出てきます)


■.取説より抜粋した数値や巻き数

1.黒文字は取説の記述文字、赤文字は入手直後の値や巻き数青文字は最終修正後の値。
2.C2については誤実装とのレビューが有りましたが、L1 L2 の巻き数についてはどれが真の値か分からなくなってきます。
3.Lについては、L1 L2 = 80m, L3 L4 = 40m, L5 L6 = 20-17m, L7 L8 = 15-10m に相当します。
4.コンデンサーの値を一の位まで表記していますが、簡易的なLCR測定器(LCR-MF9)での値で、相対的な目安として記述しました。

■.15-10mバンド用LPFの修正後

・現品の巻き数が10Tだったのを2T分ほどいて、取説の8Tに変更した特性になりました。

■.20-17mバンド用LPF(修正なし)

■.40mバンド用LPFの修正後

・こちらも現品の巻き数が21Tだったのを5T分ほどいて、取説の16Tに変更した特性になりました。

■.80mバンド用LPFの修正後
 
1.ここでは最終特性を掲載しますが、1500pFのコンデンサーの手配やコアを割ってしまうトラブルも有り手間取ってしまいました。
2.コンデンサーは、耐圧の高いセラミックコンデンサー(1KV)を手配しましたが、期待値が出ず本来採用されたであろうマイカコンデンサー(1500p100V)をAliExpressに追加で手配しました。
3.また、挿入損失が数dB出るため、コアの巻き数を増減させて試しましたが期待値(挿入損失)が出ず、きつく巻こうと力を入れコアを割ってしまい秋月電子で2個入手して続けましてた。
4.何度もコアの入換えを繰り返し、本特性が出る直前にL2のスルーホールのランドを1か所壊してしまいましたが、程よい?!特性が出たので終了としました。



3.なぜ80mバンドでのコア巻き直し時にトラブルが起きたのかの考察 

 前項でふれたようにスルーホールのランドが剥がれたため改めて試すことはしませんが、どうしてコアを巻き直し(巻き数を増す)した後に通過帯域内での減衰が増したかという事に関して考えてみました。
15m-10mや40mバンドのよう巻き数をほどいた場合は影響が少なかったことから、コアの巻き方に問題があるように感じました。
更に、本品の入手時に巻かれていた巻き線は、コアに密着した形で巻のピッチも均等であったと思います。
私が知らなかっただけで、トロイダルコアを巻く時の常識だったのかも知れませんが、今後コアにホルマル線を巻くことが有るときのために記録しておきます。


■.NanoVNAの接続形態

1.Port1側にワニグチクリップを付けたSMA-Jを接続して、試験材料を接続しました。
2.測定操作はPC上のNanoVNA-Appを使用しています。

■.試験材料の準備
1.残ったコア(T-50-2)にホルマル線(0.65mm)で密巻と疎巻でそれぞれ20T巻いています。
2.一度、少ない巻き数を片側に寄せて巻いてみましたが、インダクタンスは大きくなる傾向が有るようで、均等巻にしてある程度十分な巻き数を確保しています。

■.密巻の場合のインダクタンス測定

1.グラフの種類は、「Smith S11」を選択して、周波数は赤コアの適合範囲をカバーする 1MHz-101MHz としました。
2.基準点を7MHzとしてみると、1.936μHが読み取れます。

■.昔から使わせていただいている「リグ作りを応援する!計算TOOL」
1.JA1HWO 菊地OMのツールで計算上のインダクタンスを確認します。
2.こちらでは、計算上2μHと出ており近似値ではないかと思います。
3.誤差は有っても相対的な比較や、2個の特性を揃えるときは使うことが出来そうです。

という事で本テーマはこれで終了とします。



9.その他気づいたこと

(1)その他




99.追記用

大幅な改定・追記用