Top Page Stepping Motor Driver で可変ラジアルの製作
自作工程のメモとして
Jun.2016


 1年以上前に「Stepping Motor Driver PCBの製作」を掲載しそのまま手付かず状態でしたが、少し時間ができたので忘れないうちに取り掛かることにしました。
タイトルに「可変ラジアル」(Variable radial)としていますように、ラジアル側エレメントの電気的長さをバリエル(バリL)で可変し、上手くいけば適当な長さのラジアルを使っても、複数バンドでSWRを最良点まで追い込もうという発想です。

 当初は、可変容量の少ないバリオメータ(Variometer)で作りかけていたんですが、上記の一本のラジアルでマルチバンドで使える構造は難しそうだったので、以前にオークションで入手していたローラーインダクタ(Roller inductor)を使うことにしました。

 このページでは、ローラーインダクタ)の駆動部について記述していきます。その後、ソフト編の予定です。




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1.駆動機構の実験と選定
 最初に実験用として用意したのはベーク板(5mm)で、モーター取付金具やローラーインダクタの固定金具を、テストするために使いました。
ただし、このままではタカチの防水・防塵ボックスには収まらず、実際のベースとなる台板は、アクリル板(6mm)を用意しました。
ローラーインダクタを取付ける金具は、アルミのLアングルを切り前後対称になるように穴あけをしています。
モータは、定番のギヤモータ (28BYJ-48 – 5V Stepper Motor) を最初に使いましたが、回転速度を上げるために一般的なモーター( 200ステップ/周)も実験してみましたが、騒音がひどく最終的にギヤモータを採用しました。
また、巻き数が一番少ない位置にリミットスイッチを取付けて、脱調時に対応する用意をしています。


■ 最初の駆動機構

ローラーインダクタの軸はUSA製で 6.3mm となっており、カップラーも付いている品ですが、モータの軸が 5.0mm のため、6mm 対 5mm の軸径変更用の異径カップラーを用意して、7mm のアルミ棒を削って 6.3mm径と 6.0mm径のパーツを作り、駆動しています。

ローラーインダクタ: 多分コリンズの送信機または、リニアアンプ用だと思われます。

 

■ 2番目に試したモータ

 次のモータは、42mm角の標準的なステッピングモータで、ローラーインダクタの軸高さが偶然 29mm だったこともあり、一番手間のかかる取付金具が見つかったため、試してみました。
このモータ取付から、5mmのモータ軸に0.3mmの銅板を2周巻いて6.3mm近くに太らせて異径カップラーを使わない機構に変更しました。

このモータで駆動すると、約19巻のコイルを約20秒で移動できますが、1ステップが1.8度のためローラーインダクタ内の摺動接触部の騒音が激しく、採用を断念しました。

モータ: シナノケンシ製 P-PMSA-U42D1L
取付金具: オリエンタル・モーター製 PAL0P



■ 最終的な駆動機構
 上記の実験の末、以下のような最終形になりました。
この 28BYJ-48 モータも 5Φ軸のため、0.3mmの銅板を2周巻いてローラーインダクタの軸径に合わせています。
このモータで、約19巻のコイルを移動するのに約90秒かかりますが、一周を 4,096 ステップで回転するため非常に静かです。

また、ベースとなる台板は、収納するケースに合わせてアクリル板をサイズ指定のオーダーで用意しました。

ベース板: 透明アクリル(キャスト)厚さ 6mm サイズ 80 x 230



■ リミットスイッチ

 リミットSWは、コイルを外側から支える樹脂の棒にドリルで穴をあけ取り付けています。
本来は、巻き始めと巻き終わりに付けるべきでしょうが、加工の手間もあり一つで済ませています。
SW自体は、大阪日本橋のデジットで入手しました。


2.ケース収納と設置

ケースは以前から使っているタカチの防水・防塵ボックスを予定しており、それに合わせてアクリル板も手配しました。
また設置は、以前増設したローテータ付のマストに取り付けて、ホイップアンテナを取換るだけで、ラジアル側はシャックからステッピングモータードライバー基板を使い、モータの位置を指定するやり方になります。
なお、ケースの下部(ケーブルグランド付近)には 1mm のドリルで通気口を開けてあります。

■ ケースとベースのアクリル板

右上画像は、最初のモータ取付位置ですが、最終的には異径カップラーが無い分少し余裕が出ています。

防水・防塵ボックス: タカチ BCAR112610G
ケーブルグランド: タカチ RM12L-7S
サポートブロッククランプ: DX Engineering DXE-RSB-I11500


■ ベランダへの設置

可変ラジアルのボックスは、以前増設したローテータのマスト(38Φ)に抱かせる形で設置して、ホイップアンテナエレメントを必要時にベランダ外に展開します。
ラジアル側は可変ラジアルのコイルを経由した後、ベランダ内に長さ約270cm のダイポール用の導線を張りました。
ホイップアンテナ(約2.2m)が、14MHzと18MHzの2本しか無く、詳しい整合範囲はわかりませんが、全回転範囲(0 〜 576)のうち、以下の位置になりました。まだ前後に余裕があるため10MHzや21MHzも同調範囲にあるかもしれません。
ケーブルは、VCTF0.3×8芯10m(線路抵抗はテスターでの簡易測定で1Ω以下)を使いましたが、特に問題は発生していません。

14.07MHz 位置: 約 360 前後
18.10MHz 位置: 約 160 前後




■ SWR特性例

14MHzのホイップアンテナ(コメット:HR14 先端エレメントのカット無)のSWR特性を簡易的に測定してみました。
概ね回転位置: 370〜320 ぐらいまでの範囲で、SWRの最良点を調整できそうです。
ただし、エレメント長を相当短縮をしていることから、アンテナとしての実力は”それなり”と思いますが、複数のバンドでホイップアンテナのSWR特性を改善できることから、JT65 の運用で使っていく予定です。

以下は、サンプリング画像です。

14.025MHz付近


14.076MHz付近


14.180MHz付近


3.もう一つのローラーインダクタ (2016/06/30)

この製作中に、オークションで同タイプのローラーインダクタ(中古)を発見し、落札しました。
取付金具も、2組作っておいたのですぐに取り付けることができ、大きな寸法誤差もなく乗せ換えることができました。
ただし、この製品は、コイルを外側から支える白いガイドが樹脂ではなく、陶器のような材質で先例のようにドリルで穴をあけることができません。
そこで、コイルの端を支える金具のネジを使って、リミットSWを取付けています。


■ 入手直後ローラーインダクタ

金属部分が硫化?していますが、テスターで測りながら回してみると接触不良等は無いようでしたが、取り付けてみると何か所も接触不良が発生していました。
洗浄前



■ 洗浄後のローラーインダクタ

洗浄には、ネット上で検索したやり方で、家庭用の用品で対応できるホウ酸を使いました。分解は後側の三角板を外し、コイル部を取り出します。
ステンレスのボウルにアルミ箔を敷いた上にコイルや金具を載せ、ホウ酸を混ぜた湯を入れ3時間ほど放置して、古い歯ブラシでコイルの内側を擦りました。
また、ローラー部の溝も丁寧に擦り黒い硫化ゴミ汚れを落としました。
洗浄後




99.追記用(予備)