はじめに 移動の度に固定用のエレキーを持ち出していましたが、結構大きくて、狭い移動用卓の上では少々邪魔に思っていました。 そこで、固定用と同じ構成で、一回り小さいエレキーを作ろうと一念発起して作り始めました。 しかし、このままではいつ出来上がるか解らないので、Web上で製作状況を掲載しながら、無理矢理工程を進める事としました。 途中挫折するかもしれませんが、もし何かを作ろうかと思われている方の参考になれば幸いです。 また、製作工程は我流です。本来の手順を踏んでいないと思いますので、ご注意ください。 1999年2月27日スタート 1999年3月30日完了 |
約7年ぶりに PIC 12F629
を使った、続々編を掲載しました。
1.エレキーのメカと入れ物を決める |
エレキーを作るとき一番重要な部品は、マニュピレーターだと思います。 私は、結構安くてコンパクトなカツミのKM−23を使う事にしました。 この台座は、直径10cmあり、使う予定の、タカチケースには入りそうも有りませんが、このケースサイズでないと、固定用と変わらなくなってしましますので、このまま使う事にしました。 もし一回り大きなケースを使うのなら、台座も活用できると思います。 タカチのケース(UC-9-5-12DD) サイズ W:90 H:50 D:120 (すこし高価ですが、デザインが好きで、これはと思うものによく使います) |
2.マニュピレーターの台座を用意する |
台座を何にするかで悩みましたが、東急ハンズへ出かけ、適当なものをと探したところ、黄銅の板が有りましたので、2枚を購入しそれぞれ重ねて使うよう加工しました。 適当な重さが有り、見た目もよさそうです。 アルミと違って硬い金属ですので、手持ちの電気ドリルでは難しいと思いますが、ボール盤で加工することが出来ましたので、出来上がりは結構気に入ってます。 黄銅板サイズ (5x60x100)@\450 寸法は、ここを見て下さい。 |
3.ケースに台座とマニュピレーターを置いてみる |
黄銅板を2枚重ねて、ケースにおいてみました。黄銅板のサイズが丁度よく、ケースの前後パネルから2〜3mmの余裕で収まります。 黄銅板の後部には、マイコンの制御部を載せる予定ですが、まだ穴あけはしていません。 進行状態に応じて、追加加工していきます。 寸法は、ここを見て下さい。 今週はここまで 1999.2.27 |
4.前面パネルを加工する |
取り付け時の状況ですが、前から見て、左が電源SW、中央がLED、右がボリュームの位置になります。 構成は、固定用で使っているKENTのマニュピレーターとZ80(AKI−80)と同じを考えています。 モニター:無し スピード変更:ボリューム 寸法は、ここを見て下さい。 特に、中央部(パドル用)の切り込みは、ハンドニブラーで丁寧に開けて下さい。 |
5.後面パネルを加工する |
後面パネルは、RS−232C(DSUB25P)コネクターと、DC入力端子、KeyOUT用の穴を空けます。 特に、KeyOUT端子穴は、絶縁状態にしたかったため、3.5Φのステレオジャックは直接使わず、プリント基板に取り付けています。 結構大きな穴を空ける必要が有ります。 また、プリント板との位置あわせが難しく、今回の加工でも、ヤスリで修正をしました。 寸法は、ここを見て下さい。 |
6.回路実装用のPCBを加工する |
回路実装用のPCBは、サンハヤトの両面スルーホール汎用基板を切って使いました。 基板:(ICB−93SGH) 取り付けネジは3ヶ所(穴あけ図のABC部)です。裏面にPCB実装用の3.5Φステレオジャックを取り付けてます。 表面には、PICマイコンを載せる予定です。 |
7.製作途中の外観 |
外観の雰囲気だけですが、こんな感じになるはず??です。 今週はここまで |
8.マイコンの調達 |
今回、一回り小さく作るため、実績のあるAKI−80(Z80)が使えません。 そこで、同じく秋月電子のPIC基板を使う事にしました。 用意したのは、PIC−AKIプログラマーキットと、AKI−PICマイコンボードです。 |
9.PICプログラマーを、簡易ケースに入れる |
ケースは、タカチのYM−180です。 特にこれといった考えはなく、自宅に買い置きしていた物の中から、適当な大きさのものを選びました。 プログラミング時以外は、しまっておくものなので、外部へのソケット配置はせず、底面に3mmのビス穴を空けただけの加工で済ませています。 キットは、40ピンの拡張ソケット付属タイプ(¥7000円)のものを採用しています。 40P側は16C64の結線にしています。 画像を入れ替えました。1999.3.20 |
10.回路を決める |
回路は、AKI−PICマイコンボードのピンアサインを継承し、RS−232CのCTS・RTSを追加しました。 エレキーのスピード調整は、簡易AD変換等は使用せず、外部で555タイマーを動かします。この割り込み時定数で、Z80のプログラムをそのまま移行させるつもりです。 また、若干の調整機能を持たせてあります。 ダッシュ(長音)の長さを延長(1:3.4) 文字間隔の延長 (3.4) 語間隔の短縮 (6.0) 拡大画像は、ここを押して下さい。 画像を入れ替えました。1999.5.01 回り込み防止用 1000PF追加。 |
一部、前工程の画像を入れ替えています。
11.PCBに部品を実装する。(1) |
PCB外との接続には、一列の丸ピンソケットを、必要な数だけきりとって、接続します。 プラグ側も同じく丸ピンソケットを使って作ります。 PICマイコンは、デバック中に何回も抜き差しするため、ゼロプレッシャータイプを使っています。(約1.5K円) 手前の3ピン・2列は、設定変更用のジャンパーランドです。右の2ピンと3ピンは、ボリュームとパドルを接続します。 |
12.PCBに部品を実装する。(2) |
左側の8ピンICは555タイマーで、その手前の6ピンソケットは、RS−232Cへの接続用です。RSの端子は逆接続防止で、1ピン分を半田で埋めています。 右手前は、DC12V入力のコネクタとLEDへのコネクターと、KEY出力用のフォトカップラを置いています。 LEDコネクターは、同じく逆接続防止用に、3ピンで作ってあります。(奥側を埋めて) |
13.PCB裏面の配線 |
汚くて、普通は見せられるものでは有りませんが、連載という事で、恥ずかしながら公開します。 配線の中に、抵抗20KΩを埋めていますが、MCLRピンのプルアップです。 (これは余分でした) |
14.前面パネル裏の配線 |
シンプルに作ったつもりですので、これといった説明は不要と思いますが、LEDは5Φの汎用品を使い、裏面からホットボンドで止めているだけです。 LEDは、キーOUTと逆の動作(通常は点燈し、キーOUT時は消灯する)で、消費電流のバランスを取っているつもりです。 |
15.後面パネル裏の配線 |
RS−232Cの配線は、まだしていませんが、この状態でパドル部のプログラムを先に仕上げたら、配線を追加する予定で考えています。 手前左のDC入力部は、写ってはいませんが、ぎりぎりのサイズで収まっています。 また、ゼロプレッシャーソケットは、このタイプでないと、上ケースに当たってしまいます。 抜き差しをするレバーは、使いやすいように少し外側へ曲げて使っています。 今日まで、Z80のプログラム移植を暇を見つけてやってきましたが、その間に20回以上も書き込みをやってしまいました。(書き込み寿命を使い切ってしまうかも知れませんHiHi) |
16.やっとLEDが点滅するところまでたどり着きました |
PICのアセンブラーは、秋月の付属品も有りますが、マイクロチップ社のMPLABというのが有るという事を、後閑氏のHPで発見し二刀流で考えていました。 特に後閑氏のHPはPICの事を詳しく解説しており、その内容は市販本にも相当するのではないかとも思える、すばらしいものです。 その解説を参考にプログラムを進めていきましたが、MPLABと秋月のPAアセンブラの相性?(ニーモニックの互換性???)がわるくて、IOポートの設定の初期段階で苦労しました。 (現時点で、私が解っていないだけですが) 今週はここまで。 1999.3.20 |
後閑氏のホームページ
http://www.picfun.com/ <−新URLです
17.完成間近(一応の完成といたします) |
長いながいデバッグの末、3月28日夕方、ひょんな事から、不具合個所が見つかり(当然、私の勘違いでした)一応完成する事ができました。3月28日18:00ごろ 仕様: ■RS−232C部 1200BPS(9600BPSでは処理が間に合わないため。) ■入力信号の連続したSP(スペース)は、2個以上は処理しない。 (1SP分の間隔のみ空ける) ■エレキー部 約60文字/分 〜140文字/分 ■入力バッファーは約40文字分確保。 ■RS−232C部の処理より、パドルの処理を優先して実行する。 ■消費電流:約20mA (ちなみにAKI−80使用のエレキーは、約50mAです。) ソースプログラム k99.asm を参照ください。 ファイル属性をTXTに変更しました。(2005/7/31) 尚、更新時に書き換える場合が有りますので、ご了承ください。 ←RS−232C部の配線です。一応コアを二回通して結線しています。 |
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18.最終画像(Z−80使用の固定用との比較) |
Z−80を使用したエレキーとの大きさ比較です。Z−80(AKI−80)のほうは、ソースリストを見ると、1992年の作製でした。 せっかくPICの命令になれた(苦労した)ので、この勢いで固定用もPICに変更しようかとも思っていますが、その時は”静かに取り組みたい”と思います。HiHi 花粉症も収まりかけてきたので、このエレキーを使って、移動運用を再開しようと思っています。 以上で、エレキー製作の連載を終わりとします。1999年3月30日 |