Top Page AH-4とホイップANTで160mバンドにQRVする
自作・実験工程のメモとして
11.Jan.2022
(最終更新:2022/01/11)


 タイトルに有ります160mバンドですが、今から約9年前に「Hi-Q-4/160 RT MC-2」というスクリュードライバー型のアンテナを設置したときにQRVしたのを最後に、永らく遠ざかっていました。
それでも最近は1.8MHzが解放されSSBも出れるようになったことからぜひ出てみたいと考え、2020年の夏に設置した「AH-4とWhip(1.8m)」で試してみましたが、当然同調するはずも無くしばらくそのままにしていました。
しかし、昨年の10月ごろから2年ぶりぐらいにFT8を再開したのをきっかけに、IC-7600Mで出れる全バンドでのQSOを目指し上のバンドから段々下に降りていき、残すところ160mバンドのみとなってきました。
 そのようなことから久しぶりに重い腰を上げて、普段はアンテナ設備の関係で出ることができない1.8MHzでの運用にチャレンジしてみることにしました。




AH-4とIC-7600Mで1.8MHz:FT8にQRVできたアンテナシステムの概略図
基本形はAH-4とWhip(1.8m)で、[A][C][D]は後から順次追加していったもので全部が揃ってやっと1.8MHzに整合しました。
後もう少し、[D]Wire を延長する必要が有るかも知れません。
カウンターポイズは、KIV1.25SQ線10mの20本束と、5mの40本束を使っています。

Edit by bluegriffon 3.1

1.最初に追加した延長用リード線([D] Wire 163cm)

 低い周波数にQRVするためには、エレメント長を伸ばす必要が有るため、最初にWhipの先端からリード線を垂らしてみることにしました。
その長さは、階下の視界に入らないことを視野に、遠慮ぎみに約1.6mを接続してみました。
先端へは、AliExpressで見つけたフランジ金具を使って取り付けています。

■.フランジ金具

Whipの外径に合わせて、内径5mm・4mmの2種類を購入しました。

■.延長用リード線

フランジ金具にねじ止めしただけの簡単な作りで、長さも適当に決めました。
内径4mmのフランジ金具を、Whip.先端にねじ止めします。

これを付けることでホイップ部の有効長が増えることからハイバンドでも効果が有ると思いますが、信号強度への効果を感じるほどでは有りませんでした。


2.次に追加した容量冠([C] Cap. Hat)

 上記 1.項 のようにエレメントの長さを延長することも限界があり、容量冠(キャパシティー・ハット)を取付けてみることにしました。
容量冠は昔入手したアルミの円板も有りましたが、やはり目立つことからフランジ金具にステンレス線を取付けクローバー形にして試してみることのしました。


■.容量冠

この大きさは、強度を保ちながらある程度の大きさを確保したいと考え、40cm程度の直径となるように作りました。

■.容量冠の中心部を拡大

雨に打たれた後に写したため、サビが出ていますが、最近入手した「サビをよせつけない」スプレーでも吹いておこうと思います。

この容量冠でも運用周波数の拡大(ローバンド)には効果が有りません。
ただ、整合時のSWRは低い方へ安定しているような傾向が有るように感じます。
この時点で、前項の「延長リード線」と合わせてやっと3.5MHzに整合するようになりましたが、SWR値は少し高(1:1.5)めでした。



3.更に用意したインダクター([A] Inductor ≒214μH)

 一つ前の項で容量冠をつけても160mでの直接の効果が無かったので、以前使ったことが有る160mまでカバーするスクリュードライバー「Hi-Q-4/160 RT MC-2」と同じようにコイルを巻いてみることにしました。
コイルを巻くとなると、前二項と違ってそれなりに手間がかかるもので、最初に市販品やオークションを探しましたが、私の個別の事情に合うコイルが有るはずがありません。
そのため仕方なく自作することにしました。


■.最初に巻いた均等巻コイル(不採用)
軽く作ろうとVU40管に巻くことにしました。
導線はアルミを使用したため、セパレータには他の方の自作例に有りますように自在ブッシュ(KG-024)を使用しています。
この自在ブッシュは、多分20年以上前に入手したもので、現在も同規格の品が入手できるようです。

コイル値の計算
コイルのインダクタンスは実測せず、昔入手した「CAL25.EXE JA1HWO 菊地OM作」(謝)の値を使って概算値としています。

ただし、この約38μHでは1.8MHzでは整合が取れず、作り直しとなりました。

■.二回目に作った密巻コイル(採用)
上記にある最初に巻いたコイルでは足らないため、密巻で作ることにしました。
同じくVU40管(外径48mm)に最初と同程度の形状に収まるように1.2mmのエナメル線(PEW ポリエステル線)20mを購入しました。
これは、最初からより多くのインダクタンスを得ようと適当に決めたサイズで、エナメル線の購入単位から決めたものです。

ボルト取り付け部の整形
最初のコイルでもガスコンロの直火で温めながら、整形を試みましたがうまくいきませんでした。
2本目は「ヒートガン」を購入してボルト止めする塩ビ管の部分を平らにするように加工しています。
平らにしたい部分を「ヒートガン」で温め、柔らかくなったら平らな面に置き、上から平らな木片等で押さえて出来上がりです。

コイル値の計算

線の長さが20m近くになる切りの良い値で算出しました。
この次は、30m線を巻くとなると、コイルの直径を増やさないと難しそうですが、このコイルで偶々上手くいきました。

取付状況
配線用のボルト径は、AH-4の取り付け部がM5のため、M5に揃えています。


4.160m バンドでの整合状況と、送受信の印象

 以上の処置で160mに出れるようになりました。
特に送受信の印象は、FT8ならではの送受信レポートがdB表示になるため、他のバンドとの比較がしやすいと思い定量的に近い比較をしてみました。


■.AH-4整合時のSWRグラフ
クリックで NanoVNA Saver のフル画面が表示されます。
SWR1.4以内の幅は6KHz程度で、CW・SSB運用時は少し周波数を動かす度にAH-4の再TUNE動作が必要になってきます。


■.1.840KHz受信中 (IC-7600M)

スペクトラムスコープの山は、中央がもりあがり両端は少し低くなっています。


■.1.8MHzと7MHzの送受レポート差の傾向  サンプル数の誤記を修正(39=>49  :2022/01/26)
(グラフをクリックすると、グラフデータのエクセルファイル(LibreOffice)がダウンロードされます。)
はじめは偶然と思っていましたが、当局が1.8MHzの貧弱なアンテナを使ってQRVしているのに、受け取るレポートが送信レポートより良い傾向が有るような気がしてきました。
そこで、7MHzの国内QSOログと比較してみるために、同じ交信数の平均値をとってみました。
7MHzやその他のHF帯では受け取るレポートの方が弱い傾向が多いのですが、1.8MHz帯では、聞こえる国内局とはQSOできており、受け取るレポートも良い傾向にあります。 ただし、DX局はほとんど受信できていません。
この差の要因は分かりませんが、もう少しQSOをして発見が有りましたら追記します。




9.その他気づいたこと

(1)その他




99.追記用

大幅な改定・追記用